県弁護士会「検察官が活動妨害」地検に調査を申し入れ<元検弁護士のつぶやき >

検察官が弁護活動を妨害?

増田尚先生のろーやーずくらぶの記事からです。

県弁護士会 「検察官が活動妨害」 地検に調査を申し入れ(大分合同新聞のHPから)

 私なら、起訴後に被告人と弁護人との関係に介入するようなことは絶対しませんし、そのような誤解を受けかねない行動は厳に慎むべきであると考えます。

県弁護士会によると

その後、検察官は裁判所で男性に、「裁判所はあなたと弁護士が一緒に裁判を止めたと考え、良く思っていない。わたしに手紙を出せば、裁判所に言ってあげるから出してください」と話し、男性は「手紙で書くことはできないが会ってなら話す」との手紙を検察官に送った―としている。

とのことですが、にわかに信じがたい話ではあります。
 この検察官は、被告人から手紙を受け取って、いったいどういう手続で裁判所に何を「言ってあげる」つもりだったのでしょう。
 ほんとにこんなこと言ったのかな、というのが正直な感想ですが、言ったとすると、何を考えていたのかな、という感じです。

弁護士会の言い方も

県弁護士会は調査結果を公表していないが、「事実とすれば検察官の行為は弁護活動に重大な支障を生じさせる」として、九月三十日に大分地検に申し入れをした。

ということであり、歯切れが悪いですね。

大分地検としては

「具体的な内容は言えないが、前提となる事実が違っている。どう対応するか検討する」としている。

とのことですが、どう違っているにしろ、検察官が被告人と接触したのが事実であれば、不適切な行為であることは間違いないように思います。

最終的には

男性は大分地裁で有罪判決を受けたが、弁護士は事実認定に不服があるとして福岡高裁に控訴。しかし、男性は九月三十日に控訴を取り下げ、刑が確定した。

ということですので、なんとなくいろんな事情が想像されます。
私も歯切れが悪くてすいません。
モトケン (2005年11月 1日 21:37) | コメント(5) | トラックバック(3) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:検察官が弁護活動を妨害? – 元検弁護士のつぶやき

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検事の無責任、無能をさらけ出す以外の何物でもありません。OBとしてほんと恥 ずかしいです<元検弁護士のつぶやき>

ちょっと信じられないですが

起訴状へのクレーム・質問は起訴検事に言ってください。 ←「奥村弁護士の見解」から

 これを読んでびっくりしました。

訴因特定について、裁判所から疑問が出て、弁護人からは特定のアイデアを出しているのに対して、公判立会検事の台詞。

だそうです。

 公判立会検事というのは、裁判を担当する検事で、東京、大阪などの大都市の検察庁では起訴検事と別の検事が担当します。
 そして公判立会検事は、警察や起訴検事に仮に不手際があったとしてもそれを全部引き受けて適正な判決に向けた公判活動を行う責任があります。

 検察庁の執務室で愚痴を言うのはかまいませんが、法廷で裁判官や弁護士の目の前で、「起訴状へのクレーム・質問は起訴検事に言ってください。」などというのは、公判立会検事の無責任、無能をさらけ出す以外の何物でもありません。
 OBとしてほんと恥ずかしいです。

 奥村先生があきれられたのはよくわかりますしそれは当然のことですが、裁判官がどんな反応を示されたのか興味があります。
 私としては、その検事を思いっ切り叱責していただきたかったと思います。

 「それならあなたはもう法廷に来なくていい。次回からは起訴検事に立会してもらいたい。」

くらいのことは言ってほしいです。

 この件については落合先生もコメントしておられまして、屋上屋を重ねるきらいがありますが、今日、一期先輩の検事に野暮用で電話したところ、私のブログを見ていると言ってましたので、既に若手を指導する立場にある先輩検事にも知ってもらいたく書かせていただきました。
モトケン (2005年12月22日 16:37) | コメント(5) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)
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引用:ちょっと信じられないですが – 元検弁護士のつぶやき

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