その意味で捜査経過は秘密にされる必要があるのですが、なぜか漏れます<元検 弁護士のつぶやき>

広島小1女児殺害事件の捜査情報リーク

 広島小1女児殺害事件の捜査情報がニュースとして報道されています。
 
 捜査の現場に携わっている人たちの中には苦々しく思っている人が多いことだろうと想像しています。

 なぜかというと、本来、捜査機関以外は犯人しか知らないはずの情報が多くの人の知るところとなる結果、将来容疑者が逮捕された場合、その容疑者が真犯人かどうかの心証が取りにくくなるからです。
 最悪の場合、秘密の暴露として犯人特定の決め手になるはずの供述の信用性が失われてしまう恐れもあります。
 また、ニュースを読んだ真犯人が有効な罪証隠滅工作を行う可能性も出てきます。

 その意味で捜査経過は秘密にされる必要があるのですが、なぜか漏れます。
 そのリーク元の多くは警察幹部だと考えています。
 経験豊富な現場の捜査官は、秘密が漏れると後の仕事がやりにくくなることを知っていますからリークする可能性は相対的に低いです。

 ではなぜ警察幹部が情報をリークするかと言いますと、なかなか犯人が検挙できない本件では、検挙できないという点を批判されますから

   我々(警察)はきちんと捜査してますよ。
   その証拠にこれまでこれだけのことが明らかになってますよ。

という感じで、言い訳というか検挙できないことに対する批判をかわすために捜査情報を漏らしていると思われます。

 犯人検挙に繋がるような情状開示ならまだいいのですが、単なる言い訳リークは捜査妨害以外の何物でもありません。

 警察幹部が警察の捜査の妨害をしているのです。
 私も苦々しい思いをしたことが何度もあります。
モトケン (2005年11月28日 13:44) | コメント(4) | トラックバック(5) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:広島小1女児殺害事件の捜査情報リーク – 元検弁護士のつぶやき

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冤罪の構図がいまだに存在することを実証したものといえます。<元検弁護士の つぶやき>

鹿児島県警、ウソの供述を強要

鹿児島県警、ウソの供述を強要 県議選違反事件(asahi.com 2006年01月05日05時57分)

 この事件については落合先生が「日々是好日」で適切な分析をされているのでほとんど付け加えることがないのですが、私なりに感想めいたものを書くことにします。

 報道によれば、県警が作成した事件チャート図が流出していたり、捜査関係者の一人は取材に対し、この男性らを容疑者に仕立てようとしたことを認めていたり、かなり異例な感じがします。

 取材に応じた捜査関係者というのは相当ばか正直な人なのかな、と一瞬思いましたが、県警内部の出世争いが背景にあるのかな、という深読みの可能性もありかもしれません。
 つまり、足の引っ張り合いですね。
 あくまで憶測です。

 落合先生は知能犯捜査における筋読みを言われていますが(私も全く同感ですが)、ことは知能犯捜査に限らず、強行犯捜査(例えば、犯人不明の殺人事件など)にも同様のことが言えます。

 今回の事件は、警察が、自己の描いた筋を反省することなく、証拠を間違った筋に合わせようとすることがある、つまり虚偽自白を強要することが最近でもあるということを証明したものであり、冤罪の構図がいまだに存在することを実証したものといえます。
モトケン (2006年1月 5日 11:59) | コメント(3) | トラックバック(2) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)
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ろーやーずくらぶ – 鹿児島県議選公選法違反事件 (2006年1月 5日 16:14)

 「踏み字」事件と呼ばれるような違法な自白強要のあった事件ですが、立件を見送られた被疑者についても、虚偽自白を強要していたことが明らかになりました。朝日新… 続きを読む
kojのとりあえず日記 – [本]冤罪の構図 新風舎文庫 江川 紹子 (著) (2006年3月 5日 23:47)

なぜ僕はこの本を読むことにしたのか…ぜんぜん思い出せない。 あ、今思い出した。たぶん、前に読もうと思ってamazon.co.jpのウィッシュリスト… 続きを読む
コメント(3)
No.1 y_okamura さん | 2006年1月 5日 14:25

私は,当番弁護士から拘わりましたから,冤罪であることは,初回接見でわかりました。
担当検事にも,田舎警察を信用するなと忠告したのに,馬鹿げた起訴をしてしまいました。
この県議選を,接見国賠とあわせて,恥の上塗り事件と呼んでいます。
No.2 モトケン さん | 2006年1月 5日 16:11

これが例の事件でしたか。
今の公判検事はご苦労なことです。
No.3 paru さん | 2007年2月 2日 02:40

始めてここにきました。

困って検索してました。
鹿児島の某市民病院医療訴訟を思っております。

しかし医療専門の弁護士さんを探せずに今に至ってます。
もし・・・
もし・・・話だけでも聞いてくださる方をご存知ならと投稿しました。

この場をお借りをして申し訳ございません。

引用:鹿児島県警、ウソの供述を強要 – 元検弁護士のつぶやき

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ザ・スクープによれば何人もの自殺未遂者が出たとのとこですが、末端の買収・ 被買収ごときで<元検弁護士のつぶやき>

鹿児島県警、ウソの供述を強要(追記)

 ろーやーずくらぶの増田先生が紹介していたHP(ザ・スクープのクリップ)を見ました。
 捜査経過と公判の推移の詳細を知りませんので、起訴時点での起訴検事の認識と予見可能性がどのようなものであったのかが必ずしもはっきりしませんが、検事の目から見てかなり常軌を逸した事情があったのではないかと想像されます。
 つまり、精一杯控えめに言って、つまり目一杯検事サイドに立ったとしても、起訴には相当慎重でなければならなかった事案だと思われます。

 「相当慎重」と言うのは、検事自らが虚心坦懐に被疑者の取り調べを行い、自白に至る経緯について詳細に確認し、警察に対する自白の任意性と信用性について最大限の疑いを持ちながら調べる必要があったのではないか、ということです。

 ザ・スクープによれば何人もの自殺未遂者が出たとのとこですが、末端の買収・被買収ごときで自殺しようと考えることが不自然です。
 県民性にもよると思いますが、やったことを認めるより、やってもいないことを認めさせられることのほうがはるかに屈辱的であり精神的苦痛が大きいはずです。

 さらに弁護士接見の妨害と解任強要があったようです。
 これは重大な問題です。
 被疑者と弁護士との関係は、被疑者と弁護士だけの問題であり、仮に冗談であったとしても警察が被疑者に弁護士の解任を促すことだけでも供述の任意性を否定すべき事情になると見るべきです。

 それに加えて今回の自白強要の発覚ですから、もはやこの裁判は検察のこれ以上の立証を許すべきでない段階にあるように思います。

 このような自白強要が明らかになりますと、私の取り調べの可視化に対するスタンスも修正せざるを得ないかなと思います。
 ヤメ記者弁護士のヤメ蚊先生の、警察庁刑事局は可視化に反対?!における

そもそも、信頼関係を構築して得られたはずの自白がなぜ争われるのでしょうか。

という指摘は、取調べに携わる者が常に自問自答しなければならない問題だと思います。

 もっとも、ヤメ蚊先生がブログで使用されている「信頼関係」という言葉は強い皮肉を込めて用いられているようですので、私が以前に「信頼関係」について書いた記事とは意味合いが違います。

 文字通りに「信頼関係」を構築して得られた自白もありますが、鹿児島県警の自白強要事件は日本の全ての警察官や検察官の獲得する自白に対して強い疑念を生じさせるものです。
 その意味で、鹿児島県警は警察組織を代表して自分で自分の首を締めたと言うことができます。

 「自白を得る」ということと「自白調書を作る」ということの決定的な違いを、鹿児島県警の警察官も鹿児島地検の検事も区別できていなかった(現在形が適切かも知れませんが)と思います。
モトケン (2006年1月 5日 17:14) | コメント(6) | トラックバック(4) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:鹿児島県警、ウソの供述を強要(追記) – 元検弁護士のつぶやき

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公訴の取消をするのが検察の名誉を守る、というかこれ以上傷つけない唯一の道 かもしれません<元検弁護士のつぶやき>

鹿児島県警自白強要事件(その3)

被告全員が無罪主張、捜査巡り訴訟も 鹿児島県議選違反(asahi.com 2006年01月06日17時29分)

 朝日新聞が相当強い関心を寄せているようです。
 既にザ・スクープで既報ではないかというご意見もあるようですが、徹底的に明らかにして報道してほしい問題です。

検察の起訴は妥当だったか?

 起訴は2003年の何月ころかはっきりしませんが、同年7月ころに第1回公判があったようです。

検察は4回の会合の日を特定していなかったが、弁護側が再三求め、昨年7月に2回分を特定した。

 「会合の日」というのは、つまり買収金授受の日ということなんでしょうね。
 検察は、このような大事な日付を約1年も特定しなかった、ということは特定できなかったのでしょう。
 つまり、特定できる証拠が起訴時点でなかったと思われます。

 はっきり言って、これでよく起訴したもんだ、というのが正直な感想です。
 アンビリーバボーと言ってもいいです。
 そして、ようやく2回分を特定したと思ったら

その2回分について、弁護側は公判で、中山被告が同窓会などに出席していたアリバイを明らかにしている。

 何をかいわんや、ですね。
 検察として、これほどみっともない事件はそうはないと思います。
 この記事は、「ちょっと変だよ、最近の検察」カテゴリにも登録することにします。

踏み字問題

「お父さんはそういう息子に育てた覚えはない」「早く正直なおじいちゃんになって」  03年4月中旬、志布志署の取調室。任意の取り調べ中、ホテル経営の男性(60)=買収容疑で逮捕、起訴猶予=の足元に並べられた用紙3枚に、そんな文言があった。  書いたのは県警の警部補。男性の両足首をつかみ、無理やり紙を踏ませたという。男性は自白を強要され、「精神的、肉体的苦痛を受けた」として、1年後、県に200万円の損害賠償を求める訴訟を同地裁に起こした。

 取調べ技術として敢えて言えば、極めて稚拙と言うべきでしょうが、これは立派な精神的拷問です。
 取調べの体をなしていません。

 そして件の警部補は

05年11月の証人尋問で「真摯(しん・し)に反省し、取り調べに応じて欲しかった」と述べ「1回置いた」と主張した。

 「1回置いた」というのは、被疑者の足を紙の上に「置いた」ということなんでしょうね。

 「そんな事実は一切ありません。」と完全否定するよりは可愛げがありますが、これは当時の被疑者の方の話をそのまま認めるべき証言でしょう。
 そして言うにことかいて、「真摯に反省し、取り調べに応じて欲しかった」などとは、あきれかえってしまいます。

 私が取調室で被疑者からこんな言い訳を聞いたら、懲戒覚悟で、「お前、なめとんのか。」と言ってしまいそうです。

 岡村先生が言われるように、公訴の取消をするのが検察の名誉を守る、というかこれ以上傷つけない唯一の道かもしれません。

接見状況の調書化

 報道を引用しますと

国賠訴訟弁護団によると、03年4~8月に被告と警察署などで接見した20人以上の弁護士とのやり取りが調書化された。総数は県警と地検合わせて75通にも及ぶ。 これまでの弁論で、国・県は「供述の変遷を明らかにするために、接見内容の調書を取ることは当然行うべき捜査だ」と主張。一方、増田博団長は「接見内容が筒抜けの状態になれば、適正な刑事弁護はできない。これを組織的に行っており、非常に悪質だ」と指摘している。

ということですが、弁護団の主張が、取調べで接見状況を聞くことが問題なのか、それを調書化することが問題なのかはっきりしません。たぶん両方を問題にしているのだろうと思います。

 一般論として、捜査官が被疑者と弁護士との接見状況を聞いたり調書化することが、直ちに又は当然に違法になると言えるかどうかよくわかりません。

 私が、検事として取調べをしていたときは、取調べ状況が弁護士に筒抜けになることは当然のことと思っていましたし、弁護士になってからも、その感覚の延長として、接見状況が被疑者の口から刑事や検事に伝わることは想定内のことと考えています。
 
 但し、本件に関する限り、弁護士を排除する目的のもとに接見状況を聞いている疑いがありますので、違法と判断される可能性が十分あると思います。
 
続報がありますので一緒に書いておきます。

当時の捜査員から聞き取り 鹿児島県議選違反事件(asahi.com 2006年01月06日17時33分)

鹿児島県警が同県議選に絡む公選法違反事件の捜査で、選挙区内の男性に架空の供述を強要し、うその自白調書を作成していた問題で、県警は6日、事件に携わった当時の捜査2課員らから聞き取りによる事実確認を始めた。捜査1課と警務部などが行う。

 聞き取りの結果をどう発表するつもりなんでしょう。
 
    違法な取調べは確認できなかった。

とでも言うのでしょうか。
 それとも

    自白強要の事実があった。

と認めるのでしょうか。
 どっちにしても県警の信頼回復はできないでしょう。
 「違法な取調べは確認できなかった。」といっても誰も信じないでしょうし、認めたら認めたで「やっぱりか」ということになるだけでしょうから。

 ともかく、このような聞き取りをしなければならないほど、鹿児島県警が追い詰められていることは間違いないようです。
 身から出た錆びとしか言いようがありません。
モトケン (2006年1月 6日 18:34) | コメント(2) | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:鹿児島県警自白強要事件(その3) – 元検弁護士のつぶやき

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少なくとも捜査責任者に対する処分を行うべきだと思います<元検弁護士のつぶ やき>

富山強姦冤罪事件のけじめの必要性

服役の男性無実 富山県警は関係者「処分しない」(asahi.com 2007年02月01日06時39分)

 02年に強姦(ごうかん)容疑などで逮捕され実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が服役後に無実とわかった冤罪問題で、富山県警は31日、現時点では当時の捜査関係者を処分しない方針を明らかにした。

 記者会見で、当時の捜査について、岸田憲夫警務部長は「故意または重過失ではない。現時点では処分を行うという方針は取っていない」と述べた。安村隆司県警本部長は「組織一丸となって二度とこのようなことが起こらぬようにしたい」と話した。

 既に意見を述べていますが、この事件の捜査はでたらめです。
 県警も検察も、捜査責任者(指揮官)は無能です。
 単なる無罪事件、冤罪事件とは違い、明らかにやるべき捜査をやっていないという手抜き捜査です。

 「組織一丸となって二度とこのようなことが起こらぬようにしたい」というのであれば、少なくとも捜査責任者に対する処分を行うべきだと思います。
モトケン (2007年2月 1日 08:22) | コメント(10) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:富山強姦冤罪事件のけじめの必要性 – 元検弁護士のつぶやき

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県警も検察も、捜査責任者(指揮官)は無能です<元検弁護士のつぶやき>

富山強姦冤罪事件のけじめの必要性

服役の男性無実 富山県警は関係者「処分しない」(asahi.com 2007年02月01日06時39分)

 02年に強姦(ごうかん)容疑などで逮捕され実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が服役後に無実とわかった冤罪問題で、富山県警は31日、現時点では当時の捜査関係者を処分しない方針を明らかにした。

 記者会見で、当時の捜査について、岸田憲夫警務部長は「故意または重過失ではない。現時点では処分を行うという方針は取っていない」と述べた。安村隆司県警本部長は「組織一丸となって二度とこのようなことが起こらぬようにしたい」と話した。

 既に意見を述べていますが、この事件の捜査はでたらめです。
 県警も検察も、捜査責任者(指揮官)は無能です。
 単なる無罪事件、冤罪事件とは違い、明らかにやるべき捜査をやっていないという手抜き捜査です。

 「組織一丸となって二度とこのようなことが起こらぬようにしたい」というのであれば、少なくとも捜査責任者に対する処分を行うべきだと思います。
モトケン (2007年2月 1日 08:22) | コメント(10) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top)

引用:富山強姦冤罪事件のけじめの必要性 – 元検弁護士のつぶやき

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