本当はもっと本質的な背景事情を明らかにする必要があると<元検弁護士のつぶやき>

福岡小1殺害事件続報

「もうどうでもいいやと犯行」 福岡・男児殺害容疑の母(asahi.com 2008年9月27日20時1分)

 弁護人からの情報のようですが、今回は弁護人のマスコミ対応についてというような観点は横に置いて書きます。

 県警も、薫容疑者が弁護人に話した内容をほぼ調べで把握している。が、薫容疑者の供述にはあいまいな点もあるという。公園に行って間もないうちに殺害したとみられることから、計画性の有無について慎重に調べている。

 県警の言う「計画性の有無」というのは、要するに殺意の発生時期のことです。
 殺意が公園に行く前に発生していたら計画性があったと言って妨げないと思いますが、しかし本件のような経緯の事件について、数時間または数日間というスパンで事前の殺意の発生を論じても意味がないように思います。

 同じような事件が起きないようにするためには、本当はもっと本質的な背景事情を明らかにする必要があると思うのですが、事件当時の状況を中心に取調べによって供述を得てその裏付けを取るという警察捜査の基本的なやり方としては限界があるだろうと思います(この種の事案の検察捜査としても変わりませんけど)。

 しかし、マスコミとしては警察情報におんぶにだっこでその限界の中で報道しなければならないということはないはずです。
 もっとも、この記事は弁護人情報に基づいて事件の性格をかなり出そうとしているようですが、
 毎度おなじみの「計画性の有無について慎重に調べている。」というような紋切り型報道じゃなくて、もう少し記者独自の視点があってもいいんじゃないかと思います。

 しかし

 薫容疑者は弁護人に、家族3人で昨年、沖縄に旅行した思い出などを語った。「弘輝の声が聞こえる。弘輝のところにいかないと」

 これには涙が出ました。

 ですが、最後にここで弁護人視点を持ち出しますと、裁判員制度における弁護人のマスコミ対応というものを考えさせられる弁護人からの情報提供事例ではあります。
 この記事によって、真相に近いか遠いか分からない予断を抱いている自分が自覚されます。
モトケン (2008年9月28日 12:31) | コメント(26) このエントリーを含むはてなブックマーク  (Top) 引用:福岡小1殺害事件続報 – 元検弁護士のつぶやき

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